
そうお悩みではないですか?
会社四季報の細かい文字を見ると、たしかに「あ、無理」と初めから拒否反応が出る人もいるかもしれません。(私もでした)
とはいえ、ファンダメンタル分析において会社四季報の情報は宝の山とも言えます。
たくさんあるサイトの中から、当記事に来てくれたあなたにはバッチリマスターしてもらいたいと思います!
本記事では、下記の内容について解説しています。
・会社四季報の成り立ち
・会社四季報の読みかた
・会社四季報から得る情報について
専門用語が多くて難しいと思うかもしれませんが、出来るだけカンタンにまとめました。
会社四季報の読みかたをマスターすれば、株式投資がもっと楽しくなってくるはず!では、さっそく行ってみましょう!
会社四季報の読み方・解説まとめ【カンタン初心者】
会社四季報はファンダメンタル分析で利用されています。
そして会社四季報が読めるようになると、目星の会社の分析ができるようになります。
「この会社の株は買いかも?」と思った会社が本当にいいのか?同業他社、競合会社はどうか?比較できるようになります。
ネットや投資雑誌の情報に左右されることなく、自分で株式投資の銘柄の選定が出来るようになればあなたも立派な株式投資家です。
そもそも会社四季報ってなに?
会社四季報は、年4回出版される出版物です。かなり分厚くて、はっきり言って持ち運びに不便です。笑
値段は税込2,300円、サイズが大きいワイド版2,800円くらいでこちらは見やすいし、追加情報も載ってるので家でゆっくり見るならワイド版がおすすめです。
ネットでも四季報オンラインがあって月額費用を払えば見ることが出来て、さらに詳しい情報が載っています。出版時期は春夏秋冬で分けられ、その名のとおり四季で出版されています。
夏(6月) ⇒ 夏号(4月~6月分)
秋(9月) ⇒ 秋号(7月~9月分)
冬(12月) ⇒ 新春号(10月~12月分)
実際に書かれている内容ですが、ざっくりまとめると下記を知ることが出来ます。
・事業内容
・直近の概況
・業績
・財政状況
・株主状況 などなど
また、その情報は「第3者」の視点で評価されています。会社四季報は「東洋経済新報社」から出版されていて、創刊が1936年と約80年の歴史があります。
会社四季報を出版するにあたり、調査員が各企業へ訪れて情報収集するのですが、より公平に評価するために担当業種を2~3年でローテーションして取材しています。
企業が発表する(企業都合)の情報に比べて、より正確な分析がされているとも言えます。
ただ、出版物なので情報収集した情報が1か月前などリアルタイムの情報として鵜呑みに出来ない点があります。
会社四季報のフォーマット
今回は私が個人的に好きな「良品生活」を参考にします。無印商品いいですよね。
では各パーツごとに解説です。
①証券コード・社名
証券コードと会社名が大きくかかれています。その会社がどんなことをしている会社なのか?
決算月、設立や上場日が確認出来ます。
②業績予想・材料
右側のコメントが今期の予想左側が会社を評価するための材料です。中期的な予想がされます。
実際に見てみるとコロナの影響が出て停滞ですね。
③会社情報・取引先
本社の住所、支店や拠点数、従業員数などの情報がわかります。この従業員情報は役員、パートアルバイトの情報は含まれません。
あとは主な取引先や商売相手がわかります。
④株主・役員・連結子会社
「株主」はその会社の株を保有している上位10人が載っています。見てみると主に会社が多いですね。また海外の銀行の場合は、海外の個人投資家を表しています。
次に役員は、会社役員の名前。連結子会社は、そのまま子会社です。
⑤株式・財務・指標等・キャッシュフロー
「株式」には発行株数がわかります。そのほか、四角枠で下記の項目があればそれぞれを意味しています。
・「貸借」→ 信用取引が出来る銘柄
・「優待」→ 株主優待がある
・「225」→ 日経225に含まれる銘柄
良品生活は「貸借」だけですね。次に「財務」は会社の資産状況が載っています。指標であるROEやROAもわかります。細かくは別途解説します。
最後に「キャッシュフロー」ですが、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローなどこちらは重要なので、別途解説します。
⑥配当金
株を保有することでもらえる配当金です。今後の予想までわかります、また配当利回りや1株純資産もわかります。
⑪に載っている1株益と金額が違う場合があります。年数回配当する会社とかが該当します。
⑪の配当は1年を通しての金額で、こちらの配当は1回の配当金を表しています。
⑦資本移動
資本移動は「増資」「減資」「合併」「株式交換」「株式分割」などによる株数の変化がわかります。
⑧株価
上場から、直近の高値安値の情報が載っています。
⑨特集記事
各号によって内容がことなる項目です。今回だと従業員数や内定情報が載ってますね。
⑩業種・比較会社
会社の業種、同じ業種での比較会社が載っています。
⑪業績
会社の業績です。「売上高」「営業利益」「経常利益」「純利益」「1株益」がわかります。
過去5年間と今後の予想まで分かるので重要な項目です。
★業績予想の修正記号と独自予想マーク
修正記号は、四季報前号、つまり、3か月前の、業績予想と比べて、現在どれだけ変化しているのかを表しています。
独自予想マークは、会社予想の営業利益と、四季報予想の営業利益の乖離率を示しています。
これらは、四季報予想との比較ですので、もちろん四季報にしか書かれておらず、優位性があることが分かっています。「このマークの為だけに四季報を購入する」といった方や、「ダブルニコチャンの銘柄を買う」といったことをされている方もいるくらい、かなり注目されているポイントです。
重要な項目を解説!
各フォーマットと概要を解説しました。重要な項目をもう少し深堀します。
①証券コード・社名
①では「特色」「連結事業」「海外」の項目があります。「特色」では、会社の概要(自己紹介)の中に、業界首位とか、国内、世界シェア1位など実績もわかります。
やはり、実績がある会社の方が将来性や安定すると判断出来ますよね。
「連結事業」では、売上の構成が分かります。合計100となるように、各事業での売り上げの割合がわかります。良品生活には書かれてないですが、数字のあとに()付きの数字がある場合があります。こちらは利益率を表しているので重要です。
「海外」では、海外への事業展開している会社で国内と海外での売り上げ比率がわかります。
良品生活の場合、39なので全体の売上の内39%が海外の売上、61%が国内の売上と判断出来ます。
50%を超えるとグローバル企業といえます。たとえば、国内首位の企業の売上が50%以上となれば、これからその業界は海外戦略がメインとなると判断出来ます。
②業績予想・材料
業績予想と材料が載っていますが、会社四季報のイチバンの売りといえる項目です。個人がその会社の業績予想するために、その会社へ連絡し調査や業績のヒアリングなんて出来ませんよね。
会社四季報の取材者がその会社へ行き調査した情報を簡潔にまとめている情報なんです。
右側は「業績予想」で短期の予想です。
左側は「材料」で長期の予想です。
この左右の情報の中で「プラスのコメント」と「マイナスのコメント」を探します。
今期のコメントは下記の通りです。「プラス要素は赤」「マイナス要素は青」で表しました。
⑤株式・財務・指標等・キャッシュフロー / ⑪業績
こちらで書かれている重要な項目「財務」「キャッシュフロー」「業績」では、会社の会計を読み解く知識が必要になります。
「財務」=「BS(貸借対照表)」
「キャッシュフロー」=「CS(キャッシュフロー計算書)」
「業績」=「PL(損益計算書)」
といった感じになります。
下記の記事でまとめていますので参考してみてください。
ざいむしょぴょう?ナンダイそれは、おいしいの?株式投資に関係あるのカイ? そうお困りではあーりませんか? 「財務諸表」と「財務三表」は、 株式投資のファンダメンタル分析をする[…]
BS、CS、PLと会社四季報とで、ほぼ同じ内容がかかれていることが分かると思います。
そして、会社として「いくら売上が上がれば優秀か?」「いくら利益が残せればいいのか?」PERやROAなどの指標から、ファンダメンタルの分析が出来るようになります。
③会社情報・取引先
こちらで注目すべきは【従業員】です。ファンダメンタル分析で従業員数なんて関係なさそうですが、下記の内容を読み取ることが出来ます。
当期の純利益を従業員数で割ることで、その会社の従業員1人あたりの稼ぐ力が判断出来ます。
「従業員1000人の会社」と「従業員10人の会社」
きっと純利益は1000人の会社の方が多いでしょう。ただ会社を比較する際に「従業員1000人の会社の方が優秀」と判断せずに、稼ぐ力という意味で比較すれば、「従業員10人の会社の方が優秀」ってこともあり得ます。
先述しましたが、役員とパートアルバイトは数に含まれないのであくまで概算ですが、同業他社の比較には使えます。
次に「年齢」です。年齢は従業員の平均年齢です。平均年齢は高いよりも低いほうが今後会社が発展しやすい傾向があります。あたらしい事業にチャレンジとか会社に体力がないと出来ないんですね。
最後に「年収」です。平均年収が載っているのですが、ここでは、平均年収が高いほうが良いと判断しています。あなたの給料が高いとモチベーションがあがったり多少嫌なことがあっても給料高いからガマンしよと思いませんか?
同じように、平均年収が高いと従業員がその会社を辞めにくいと判断します。
会社を長く続けることで、「知識や経験がつく」+「チームワークが発揮される」など会社が良い方へ進むといえます。
株価指標について
株価指標には、PBR、ROA、PERなどがあり、アルファベット3文字で構成されている以外にも自己資本比率、当期純利益率など、まとめて「株価指標」や「指標」と呼びます。
一般的な株式の書籍やネット情報でもこういうものだよと解説されてるのですが「結局どう判断するのか?」が分からないケースがほとんどです。
ファンダメンタル分析においても重要な数値となりますので、一つ一つ解説します。
PER(株価収益率)
結論から言うと、PERはあんまり参考にする機会は無いです。
順番に説明しますね。
株式数:20,000株
株価:400円
時価総額:8,000,000円
当期純利益:800,000円
「時価総額」とは、1株あたりの株価×発行株数で求めることが出来ます。
「当期純利益」はPLで解説したとおり最終的に残った利益ですね。
PERはこちらの計算式で出すことが出来ます。
「PER」=「時価総額」÷「当期純利益」 または 「PER」=「株価」÷「1株あたりの純利益(EPS)」なので先ほどの会社の例で計算するとPERは10ですね。
PERは、会社の業績に対して現在の株価が割安か?割高か?という判断が出来ます。
PERが低い = 会社の利益に対して株価が割安
PERが30を超えると割高と言われます。では、PERが低ければ良い?と単純ではありません。
PERが下がる時とはどんな時か?それは、
・1株あたりの純利益が下がる
(株式数が減る or 当期純利益が増える)
です。例えば、良い材料があり株価が2倍になったとします。
株価:800円
時価総額:16,000,000円
当期純利益:800,000円
1600万円(時価総額) ÷ 80万円(当期純利益) = 2
800円(株価) ÷ 40円(1株あたりの純利益)= 2
なのでPERは2となります。
では、当期純利益が2倍なるととこうなります。
株価:400円
時価総額:8,000,000円
当期純利益:1,600,000円
800万円(時価総額) ÷ 160万円(当期純利益) = 5
400円(株価) ÷ 80円(1株あたりの純利益) =5
なのでPERは5となります。
「株価が上がる」「当期純利益が増える」どちらも良い材料ですが、PERの数字は上がったり、下がったりします。
毎期一定の利益を出している会社ならまだしも、当期のみ、一時的に良い、悪い業績の会社では、PERはあてにしてはいけないということになります。
では、どんな時に使うか?
会社を比較するときファンダメンタル分析、テクニカル分析をして比較結果に差異があまり無い時、どちらが「割安かな?」程度で使うのが良いです。
PBR(株価純資産倍率)
PBRは会社の純資産に対して、株価がどの程度か?を示す指標です。
PERと同じく、その会社の株が割安か割高か?を判断する材料となります。
PBRの計算式はこちらです。「PER」=「時価総額」÷「純資産」または、「PER」=「株価」÷「一株あたりの純資産」割安、割高の判断仕組みについて解説すると。。
株主の権利の中には「残余財産分与請求権」があります。かんたんに説明すると会社が倒産、解散した時に純資産が株主の分配するよう請求できる権利です。
たとえば、このような株式会社Aがあったとします。
株式数:10,000株
株価:200円
時価総額:2,000,000円
純資産:4,000,000円
たろーさんがA社の株をすべて購入しているとして、必要な金額は200万円に対して会社が解散し株主に分配される金額は純資産の400万円となります。
200万円の投資に対して400万円の分配金がある。投資金額に対して、2倍の分配金つまり割安だ、と判断されます。
200万円(時価総額)÷400万円(純資産)=0.5
PBRは0.5となります。
単純に考えると、PBRは1よりも低いと割安、超えると割高と考えておけばいいです。
また、PBRが2や3だった会社が、なんらかの影響で株価が下がったとしてもPBRが1のタイミングで下げ止まる傾向がとても強いです。
逆にPBRが1以下の会社の株価が上がったとしてもPBRが1のタイミングで上げ止まることもあります。
つまりPBRが1は基準となる。ので覚えておきましょう。
PBRが2以下 = まぁ基準値内なのでOK
PBRが2以上 = 注意が必要です。
実際問題、会社が倒産するとなると、さまざまな費用がかかり、単純に純資産の金額が株主に分配される訳ではない。ということだけ認識しておきましょう。
また、株式投資家がPBRをどのようにみているか?
についてPBRが低ければいいのか?高ければいいのか?
PBRが高いからといって、買ってはいけないというわけでもありません。PBRが高い=株価が高いその会社に対して期待感が強い、今後成長がするのでは?と投資家が判断しているとも言えます。
PBRだけで判断せず、全体を見て短期や中期的にはプラスの材料と判断することも出来ます。
ROE(自己資本当期純利益率)
ROEは、自己資本を元にどれだけ稼げたか?を示す指標です。
ROEの計算式はこちらです。「ROE」=(「純資産」÷「当期純利益」)×100
2つの会社を例で計算してみます。
– | A社 | B社 |
純資産 | 1000万円 | 5000万円 |
当期純利益 | 100万円 | 100万円 |
ROE | 10 | 2 |
当期純利益として、100万円稼ぐことができました。2社とも100万円で同じですが、利益を作りだす純資産が5倍差があります。
つまりA社の方が、B社よりも5倍稼ぐ力がある
と判断出来ますよね。当期純利益を見ただけでは判断できないその会社の稼ぐ能力を知ることが出来ます。
実際の上場企業のROE目安は、業種によってことなりますが、だいたい3%~9%を推移しています。基準値としては10%以上は優良、10%以下はまあまあといった感じ。
実際に海外の投資家はROEを重要視している傾向があり、それだけ注目度が高い指標ですが、ただ単純にROEが高ければ良いとも限りません。
会社はROEを高めるため日々企業努力をしています。ROEが3%でも、今後伸び白があり、5%、8%、10%と高まれば、株価も比例して上がります。
逆にROEが15%の場合、成長しきっている会社であれば、高値掴みをしてしまっている可能性もありますよね。
成長前の会社に投資して利益を得るという、基本的な投資方法を考えれば、ROEが低いとダメ、高いと良いとも単純に判断するのは危険です。
ROA(総資産当期純利益率)
ROAは、総資本を元にどれだけ稼げたか?を示す指標です。
ROEとほぼ同じと言えますね。計算式はこちら「ROA」=(「資産」÷「当期純利益」)×100
– | A社 | B社 |
資産 | 1000万円 | 5000万円 |
当期純利益 | 100万円 | 100万円 |
ROA | 10 | 2 |
ROEの純資産、ROAの総資産でいったい何が違うのか?
純資産は株主から投資の金額、ですが。総資産は純資産を含め、借りたお金など全ての金額です。
ROEが高ければ、株主への配当能力が高く、ROAが高ければ総資産に対して稼ぐ能力がある。と判断出来ます。
ROAは業種によってことなりますが、2%~6%が平均値となります。5%が節目として考えておくとよいです。
最後に

いかがでしたでしょうか。四季報の読み方について、出来るだけカンタンにまとめてみました。
少し学んだだけでも、四季報を手に取ってみてみれば理解できることが増えていると思います。
分からないことが、分かった時はなんだか嬉しいですよね?学んで分析出来るようになれば株式投資で勝てるようになります。お互い日々学んでいきましょう!
今回はここまで最後までお読みいただきありがとうございました。たろーでした!